ブレーキフルード交換の必要性2012年02月10日 14時38分

まずはこの写真を見てください
今回アクティトラックの車検で交換したブレーキフルードと
当店で通常使っている、新品のブレーキフルードの比較です
ブレーキフルード、2年間21000km使用でこの差に

色そのものの違いは、メーカーの違いで出るもので
見て頂きたいのは、2年の使用でココまで変わる濁り具合の差です。

各所で書かれていますし、知っている方も多いと思いますが
ブレーキ作動に使われているフルードは、一般的にグリコール系の液体
粘度が低く特性は良いが、水溶性の上に、吸湿性も高い液体なのです

そもそもブレーキは、タイヤとともに回るディスクローターを
ブレーキパッドで挟んで、熱エネルギーを利用して止めるモノなのですが
そのブレーキパッドに力を加える為、使われるフルードは耐熱性も大切!

DOT規格で、フルード自体に沸点の違いはありますが
ウチが通常で使う Gulf DOT4 フルードの場合、新品での沸点は

ドライ沸点(℃)267 ウエット沸点(℃)158 な性能ですが

吸湿して、水分の含有量が増えると、水=100℃で沸騰する訳ですから
下り坂等でブレーキを多用して、熱を持った時にはブレーキフルードが沸騰
⇒気泡が発生して、専門用語"ベーパーロック"と言う状況が起きます
液内に気泡が出来ると圧をかけても気泡が圧縮されるだけで
ブレーキシステムに油圧が伝わらず、ブレーキが効かない事に陥ります

吸湿性があっても、どうしてフルードに水が入るの・・・?
これは無論、油圧経路自体に水が混入するわけではありませんが
ブレーキフルードの入るタンクの上は、空気穴で外気と通じてますから
元々水を吸う性質が強い上に、車は外で使うものですから
ブレーキは常に 冷⇔温 を繰り返しますから、コレも原因の1つ

冷えた飲料を入れたコップの外を思い浮かべていただければ分かるように
外気と通じたタンク内、冷えると水滴が発生してフルードに溶け込んだりで
元々267℃まで沸騰せず圧力を伝えられるフルード
3.7%の水分が混ざっただけで、158℃に低下するのですから
長期間交換せずに使い、もしもそれ以上に水分が入ったらどうなるか・・・

写真のフルードに出ている濁りは、古いグリス等溶ける為もありますが
水分で白濁している事も理由で、これが更に年数の経ったものですと
ゴム部品の磨耗カス等も混じり黒ずんでしまう事すらあるんです

増して、ブレーキなどの構成部品は殆どが金属製
元々、水分を嫌うというのもご納得して頂けると思います

当店では上の理由で、常に安心した性能で乗って頂く為
2-3年毎でのフルード交換をさせて頂いています事、ご了承下さい
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